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ウィークエンドシアター:あの頃ペニーレインと

あの頃ペニー・レインと― デラックス・ダブル・フィーチャーズ [DVD]

久々にここに書こう、と思える映画を見ました。
古い映画で、ずっと前から気になっていたもののなぜかスルーしていたもの。
多分、音楽系、ロック系の映画で余り面白いのに当たっていない、ということがあるのかもしれません。
スティル・クレイジーとかね。
あの頃ペニー・レインと」は、監督のキャメロン・クロウが15歳でローリング・ストーン誌のライターをやっていたという実体験に基づくもの、ということで期待して見ました。

ちなみに、ワタシが15歳の頃は……
ウッドストックを見て音楽観が変わった頃で、急激にハード・ロックやプログレにのめり込んだ頃です。
16歳の時には、箱根アフロディーテでピンク・フロイドを見た、そういう時期で、本当にこういう体験ができたキャメロン・クロウは凄いと思います。

この映画の気に入ったところは、実体験に基づいていることからきているのか、ロックとミュージシャンに対する暖かい視線があるところ。
変にドキュメンタリー風にはなってないんだけど、まるで見ているワタシも一緒にツアーしていてその光景を見ているような、そんな感覚にしてくれるのが素晴らしい。
もちろん、実際のバンドではもっとひどい、生々しい出来事もあったんでしょうが……

それから、ライブの場面での音が、いかにも会場で聞いているような生々しさがあったのもよいです。
大抵のこのテの映画では、到底ライブの音とは思えない音質のことが多いけど、各楽器の音といい、低音の響き方、残響の感じがライブ会場で聞く音に近くて、こだわりを感じました。

ペニー・レイン役のケイト・ハドソンもきれいでかわいく、ちょっとミステリアスで、この役にぴったりな感じ。
見終わってからもちょっと後を引く、何となく甘酸っぱい気持ちになれる、久しぶりのそういう映画。

ウィキペディア(Wikipedia)2009年8月18日 (火) 15:09版によれば、「バンドのギタリスト、ラッセル(ビリー・クラダップ)の台詞「俺は輝ける神だ!!(I Am A Golden God!!)」は、レッド・ツェッペリンのヴォーカリストロバート・プラントが、ロサンゼルスのハイアット・ホテル(通称「ライオット・ハウス」)のテラスから実際に叫んだもの」だそうです。

このことも含めて、いろんなロックバンドに起きたエピソードをまとめた感じですね。
ギタリストがマイクロ・フォンの漏電で感電死したのは、え~っと、マギー・ベル(Maggie Bell)、ジェイムズ・デュアー(James Dewar)が在籍していた、ストーン・ザ・クロウズ(Stone the Crows)です。

この映画の舞台となっている1973年といえば、ワタシはブリティッシュ・ロック一辺倒の頃でしたし、ブリティッシュ・ロックがピークにあった頃といってもよいでしょう。
実際に映画にも、ハンブル・パイ(Humble Pie)、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)、ディープ・パープル(Deep Purple)など、ブリティッシュ・ロックバンドの名前が登場します。

ざっと、この年にリリースされたアルバムを見ると、

Larks' Tongues in Aspic - King Crimson
The Dark Side of the Moon - Pink Floyd
Brain Salad Surgery - Emerson, Lake & Palmer
Tales from Topographic Oceans -YES
Eat It - Humble Pie
Heartbreaker - Free
Who Do We Think We Are - Deep Purple

等が並んでいて、それぞれのバンドのピークか、又はちょっと怪しくなり始める辺りのアルバムが揃っています。
ワインでいえば、いわゆるグラン・ヴァンではないシャトーの10年くらい熟成したもので、これ以上熟しそうな、しなそうな、今飲んで正解、みたいな。

それから、この映画に登場するバンド、Stillwater ってなんか、昔、中古盤セールでよく見かけたような気がして、ひょっとしたら記憶違いかとも?と思ってYouTube(ユーチューブ)を検索してみたら、ありました、やっぱり記憶は正しかった。

こちらは、映画に登場する Stillwater

で、こちらが実在した Stillwater

なんとなく、レイナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)っぽいサザン・ロックですね。

エンド・クレジットを見ると、Technical Consultant、Music Co-Producer がピーターフランプトン(Peter Frampton)です、どのシーンだったか忘れましたが流れる曲にボイス・モジュレーターが使われていて、いかにもフランプトンの雰囲気でした。

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